【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.05.19】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
24HK0080
利用課題名 / Title
低放射化ハイエントロピー合金の原子炉配管材料への応用と成立性評価
利用した実施機関 / Support Institute
北海道大学 / Hokkaido Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions（副 / Sub）高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed
キーワード / Keywords
光学顕微鏡/ Optical microscope,X線回折/ X-ray diffraction,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,電子顕微鏡/ Electronic microscope,イオンミリング/ Ion milling,電子回折/ Electron diffraction,集束イオンビーム/ Focused ion beam
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
橋本 直幸
所属名 / Affiliation
北海道大学大学院工学研究院
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
岡弘,礒部繁人
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
橋本直幸
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）,技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
HK-407：精密イオン研磨装置
HK-302：電界放出形走査電子顕微鏡
HK-301：環境セル対応透過電子顕微鏡
HK-304：集束イオンビーム加工・観察装置
HK-403：集束イオンビーム加工装置
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
次世代小型原子炉(SR)あるいは小型モジュール炉(SMR)に対応した技術である積層造形法(AM法)および放電プラズマ焼結法(SPS法)を用いて、原子炉配管における溶接線のないバウンダリーや弁体、エルボ部に適用可能なハイエントロピー合金(HEA：高濃度固溶体合金)並びにHEA/鉄鋼材料接合体の創製および製造技術の開発を進め、高温で耐照射性かつ耐久性を有する低放射化HEA材料を提案することを目的とする。本研究課題業務遂行の骨子は、低放射化HEAの原子炉配管材料への応用と成立性評価、相安定性、疲労および耐応力腐食割れ(SCC)特性評価、耐照射特性評価および計算科学的評価を実施する。
実験 / Experimental
先ず、組織学的に安定なCr0.8FeNixMny系低放射化HEAおよび高濃度固溶体合金について、①極力不純物を低減した試料およびC、N濃度を適切に調整した試料をアーク溶解法およびAM法によ作製する。作製された試料について、①TEMおよびSEMによる組織学的評価を行い、②試料の機械的性質評価として、ミニチュア試験片を用いた引張試験、ビッカース硬度試験およびナノインデンテーションによる試料表面硬度を測定、摩耗試験などを予定している。また、③500～800℃、25時間の条件下で高温水蒸気腐食試験を行う。さらに、別途、④低放射化HEAの相安定性評価、⑤疲労特性評価、⑥耐応力腐食割れ(SCC)評価を行う。
結果と考察 / Results and Discussion
アーク溶解法で作製された低放射化高濃度固溶体合金1種（Cr0.8FeMnNi：HEA1）と高濃度固溶体合金1種（CoCrFeNiAl0.3：HEA2）、316L鋼（316L）ビッカース硬さの序列は、HEA1＞HEA2≒316Lであった。また、各試料を集束イオンビーム加工装置を用いて薄膜化し、さらに、Arイオンビームスパッタリング装置を用い1 keVのイオンビームで最終加工を行いTEM観察用試料とした。走査型透過電子顕微鏡を用いて微細組織観察を行った結果、HEA1およびHEA2は、FCC単相であることが確認された。なお、XRDによる結晶構造解析でも同様の結果を得ている。一方、400℃で500時間熱時効処理したHEA1では回折ピークの変化が認められ、FCC構造由来のピークは消失し、BCC構造由来のピークのみが確認された。これは、試料全体がFCC構造からBCC構造へと変態したことを示唆している。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究は文部科学省電子力システム研究開発事業JPMXD0224020151の助成を受けました。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件