【公開日:2025.07.10】【最終更新日:2025.07.10】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT0392
利用課題名 / Title
フライアッシュを用いたセメント硬化体の物性発現メカニズムの解明
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)その他/Others
キーワード / Keywords
形状・形態観察,分析,切削,研磨,イオンミリング/Ion milling
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
栗原 諒
所属名 / Affiliation
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻
共同利用者氏名 / Names of Collaborators Excluding Supporters in the Hub and Spoke Institutes
瀬川 実暉,丸山 一平
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Supporters in the Hub and Spoke Institutes
福川 昌宏,近藤 尭之
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
フライアッシュを混和したセメント硬化体の乾燥収縮性状について考察を行うため、東京大学の設備を利用してセメント硬化体のCP加工をした。そのサンプルを使用して、走査型電子顕微鏡(SEM)の測定を行い、セメント硬化体のテクスチャーの違いや元素分析によるCa/Siモル比の結果を取得した。その結果から、フライアッシュを混和した時のセメント硬化体の特性についてケイ酸カルシウム水和物(C-SH)の性質に着目して検討を行った。
実験 / Experimental
本実験では普通ポルトランドセメント(記号N)およびフライアッシュ(記号F)を使用した。この普通ポルトランドセメントに対して,フライアッシュを0%(記号0),10%(記号10),20%(記号20),30%(記号30)で置換し,調合はバインダー比(記号W/B)0.40,0.55の2種類とした。試験体はそれぞれNバインダー比(N55,N40)_フライアッシュ置換率(F0,F10,F20,F30)で示す。試験体は、1年以上の水中養生を行った後に水和停止を行った5 mm角程度のサンプルを使用し,エポキシ樹脂で含浸硬化させ,SiC研磨紙を用いて事前研磨を行った後,Arガスを用いたCP断面研磨(SM-09010、SM-09020)を実施した。研磨後は,オスミウムで導電性コーティングを施した。観察には,卓上SEM(HITACHI社製,TM4000)を用いた。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig.1にSEMを使用して取得したセメント硬化体の反射電子像(BSE)を示す。フライアッシュを混和したセメント硬化体において,フライアッシュが大きいまま残っている様子が確認できる。また,一部黒く影になっている部分があるが,これはフライアッシュのポゾラン反応によって水酸化カルシウム(CH)が消費され,抜け落ちたことによるものであると考えられる。Fig.2にSEM-EDSを用いて算出したSi/CaとAl/Caのプロットを示す。SEM-EDSで元素分析を行った。赤線に関して,原点(0,0)を通るものをCH,(0,0.5)を通るものをモノサルフェート(AFm)*とし,その交点をとることで各C-S-HのCa/Si,Ca/(Si+Al)およびAl/(Si+Al)の中央値を算出した。その方法で算出した中央値をTable.1に示す。Ca/SiおよびCa/(Si+Al)の中央値は置換率が大きくなるほど小さくなっており,フライアッシュを混和することにより,C-S-Hの性質が異なっていると考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 使用したセメント硬化体の反射電子像(1000倍)
Fig.2 SEM-EDSを用いて算出したSi/CaとAl/Caのプロット
Table1 SEM-EDSを用いて算出したC-S-HのCa/Si、Ca/(Si+Al)およびAl/(Si+Al)の中央値
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献* K. Scrivener, R. Snellings, B. Lothenbach:A Practical Guide to microstructural Analysis of Cementitious Materials, CRC Press Taylor & Francis Group, pp.351-417(2016)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件