【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.03.30】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
24UE5375
利用課題名 / Title
組換え酵母により大量発現させた小麦LOXⅢによる小麦粉ドウグルテニンサブユニットの構成変化に与える影響
利用した実施機関 / Support Institute
電気通信大学 / UEC
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）加工・デバイスプロセス/Nanofabrication
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials（副 / Sub）マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials
キーワード / Keywords
コンポジット材料/ Composite material,質量分析/ Mass spectrometry,バイオアダプティブ材料/ Bioadaptive materials
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
椎葉 究
所属名 / Affiliation
東京電機大学 理工学部理工学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
高 悦,宮城 怜奈
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
北田 昇雄,石貫 達哉,山角 亮太,兵藤 遊馬
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）,技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
研究の目的は組換え酵母により大量発現させた小麦LOXⅢアイソザイムを小麦粉に反応させたときの可溶性および不溶性グルテニンの高分子量と低分子量サブユニットの構成変化の機構解析と、LOX感受性ポリペプチドの特定と構造解析である。研究内容は組換え酵母により大量発現させた小麦LOXⅢアイソザイム（ｒLOXⅢ）を精製した。精製rLOXⅢを小麦粉と反応させたときの可溶性および不溶性グルテニンを調製、高分子量と低分子量サブユニットを構成するポリペプチド二次元電気泳動により分画した。今はその電気泳動の結果の特異的なスポットを取って、UE-019MALDI-スパイラルTOF 質量分析装置 (JMS-S3000)でサンプル中の化合物の質量と複雑な分子の解析を測定しました。
実験 / Experimental
サンプル前処理：試料溶液を遠心乾燥し、−20°Cにて冷凍保存。マトリックスおよび試料溶液の調製：① 0.1% TFA + 70% メタノール溶液にサンプルを10:10:1（TFA:メタノール:サンプル）の比で混合し、1 μlを準備。② マトリックスとして、CHCA（α-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸）を1 mg 70% アセトニトリル（ACN）1 ml に溶解し、10 μl 使用。MALDIターゲットへの滴下：①と②を1:1で混合したものを1 μl MALDIターゲットに滴下。滴下後、自然乾燥させ、結晶化を確認。質量分析条件：イオン化モード：正イオンモード質量範囲：500〜5000 m/zレーザーエネルギーおよびショット回数：最適化条件にて測定校正：標準ペプチドミックスにて事前キャリブレーション実施データ取得後、ピーク強度フィルター（20000以上）を適用して解析対象ピークリストを作成。
結果と考察 / Results and Discussion
(1) 論1データ：高強度ピークが検出されたが、スコアは有意性閾値に達しておらず、環境汚染や測定感度不足の可能性が示唆された。
(2) 論2データ：小リボソームサブユニット関連成分が検出されたが、低スコアであり、再現性や純度向上の必要性を確認。
(3) 論3aデータ：酵母由来タンパク質が推定されたが、低信頼度。試料調製時の外来成分混入が考えられる。
(4) 論3bデータ：ウイルス由来タンパク質の可能性を示すピークが検出され、試薬・環境由来汚染の影響が疑われた。
(5) 論3cデータ：腸内細菌由来成分を示唆する高スコア結果が得られたが、有意水準には達していないため、MS/MS測定での確認が必要。
全体として、試料中に複数の外来タンパク質由来成分が検出されたことから、装置やサンプル調整環境の清浄度管理が重要であることが明らかとなった。今後は、測定条件および前処理プロトコルのさらなる最適化を進める。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
論１
論２
論3a
論3b
論3c
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件