【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.03.21】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
24UE5371
利用課題名 / Title
超伝導量子干渉型磁束計を利用した液状化可能なラジカルイオン種の磁気的性質の解明
利用した実施機関 / Support Institute
電気通信大学 / UEC
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials（副 / Sub）高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed
キーワード / Keywords
有機系磁性材料/ Organic magnetic materials
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
鈴木 修一
所属名 / Affiliation
大阪大学 大学院基礎工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
田中律起
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
石田尚行
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）,共同研究/Joint Research
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
固液相転移を示すアルキルスルホン酸イオン-ジアルキルジヒドロフェナジンラジカルカチオン塩および分子内に二つのジヒドロフェナジンラジカルカチオンをもつシクロファン型ジラジカルジカチオンに関して、超伝導量子干渉型磁束計を利用した磁化測定を行う。その結果を利用して、固体状態および液体状態におけるラジカルカチオン集合体における磁気的性質を明らかにするとともに、集積構造に関する詳細な知見を得ることを目的としている。本測定は電気通信大学基盤理工学専攻の石田尚行教授らとともに行う予定である。温度領域に関してはヘリウム温度から 400 K 程度を検討した。
実験 / Experimental
メチル基とデシル基を有するジヒドロフェナジンラジカルカチオンのドデカスルホン酸イオンの塩とカウンターアニオンをビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンとした塩の磁化率を10 Kから約 400 K まで測定した。また、二つのジヒドロフェナジンラジカルカチオンを-C2H4-O-C2H4-O-C2H4- で連結したシクロファン型ジラジカルジカチオンのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン塩の磁化率を10 Kから 300 K まで測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
メチル基とデシル基を有するジヒドロフェナジンラジカルカチオンのドデカスルホン酸イオンの塩に関して、融点以上で磁化率の減少が観測された。一方、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンとした塩では融点以上で磁化率の上昇が観測され、反対の挙動を示すことがわかった。これらは、別途測定している電子スピン共鳴法から観測される結果や電子スペクトルの測定結果から矛盾はしていない。詳細な解析に関しては現在検討中である。磁性不純物の影響が無視できず、どのようにそれを処理するかが現在の課題である。また、二つのジヒドロフェナジンラジカルカチオンを-C2H4-O-C2H4-O-C2H4- で連結したシクロファン型ジラジカルジカチオンのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン塩においては加熱により磁化率が大きくなっていることがわかった。分子内には比較的強い反強磁性的相互作用が働いているかと予測される。細な解析に関しては現在検討中である。前述した分子系と同様に磁性不純物の影響が無視できず、どのようにそれを処理するかが現在の課題である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件