【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.03.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24UE5349

利用課題名 / Title

質量分析計を利用した有機化合物の精密質量測定

利用した実施機関 / Support Institute

電気通信大学 / UEC

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis（副 / Sub）-

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion（副 / Sub）次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

ナノカーボン/ Nano carbon,太陽電池/ Solar cell, 質量分析/ Mass spectrometry

利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

山田 道夫

所属名 / Affiliation

東京学芸大学 教育学部基礎自然科学講座

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

北田昇雄,平野誉,元橋八重

利用形態 / Support Type

（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）,技術補助/Technical Assistance

利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UE-019：MALDI-スパイラルTOF 質量分析装置
UE-013：ESI-TOF型質量分析計

報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

新規な分子機能を有するフラーレン誘導体の開発にあたり、合成した反応試剤およびフラーレン誘導体の同定・構造解析を行うために、電気通信大学の質量分析装置を使用した。

実験 / Experimental

利用者が合成した複数の化合物の同定・構造解析を行うため、ESI-TOF質量分析（UE-013）およびMALDI-スパイラルTOF質量分析装置（UE-019）を用いて測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

測定した化合物のうち、いくつかについては理論値に合致する質量分析結果が得られ、NMRなどの他のスペクトルデータと合わせることで構造同定に成功した。
図1には、合成化合物であるbis(2-(4-(3-hydroxy-3-methylbut-1-yn-1-yl)phenoxy)ethyl) malonate) (3a(MIU))の質量分析結果を示す。
3a(MIU)の分子式はC₂₉H₃₂O₈であり、陽イオンモードでのモノアイソトピック質量の理論値はm/z 508.20972となるが、ナトリウムイオンが付加している場合で計算するとm/z 531.1995となる。
実際の測定では図1に示した通り、m/z 531.19894にイオンピークが観測されており、–3.71 ppmの誤差として 3a(MIU)の構造を支持する結果が得られた。
一方で、理論値に合致する質量分析結果が得られなかった化合物については、測定条件（マトリクスやイオン化剤）の見直しが必要である。また、想定していない結果を与えた化合物もあり、これについてはその他の分析と組み合わせた詳細な構造解析が今後必要である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations

図１. 本研究で構造同定した化合物3a(MIU)の質量分析結果.

その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)

成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)

口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.

1. Michio Yamada, Masahiro Miyazaki, Hiro Yamazaki, Miyu Kaneko, Yoshihisa Hashimoto, Yutaka Maeda, Silver-Mediated Cascade Symthesis of Open-Cage Fullerenes from C60 and Propargylic Carbonates, Submitted.

特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件