【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.04.18】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24KU0023

利用課題名 / Title

機能性ナノクリスタルの作製

利用した実施機関 / Support Institute

九州大学 / Kyushu Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials（副 / Sub）量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/ Electronic microscope

利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

中島 光一

所属名 / Affiliation

茨城大学大学院理工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

工藤昌輝

利用形態 / Support Type

（主 / Main）技術補助/Technical Assistance（副 / Sub）-

利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KU-004：広電圧超高感度原子分解能電子顕微鏡

報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

積層セラミックコンデンサ（MLCC）の誘電体層にはチタン酸バリウム（BaTiO₃）が用いられている。BaTiO₃はペロブスカイト型構造をとり、一般に強誘電体として知られている物質である。このBaTiO₃の粒径や形状をコントロールして、誘電率の向上を目指した研究が取り組まれている。本研究では、BaTiO₃をナノレベルの大きさを有する立方体の単結晶粒子であるナノキューブの合成を行い、その粒子表面の原子配列を明らかにするために電子顕微鏡観察に取り組んだ。なお、BaTiO₃ナノキューブの合成は原子レベルから粒子を構築することができるボトムアップ型アプローチのソルボサーマル法を用いて行った。

実験 / Experimental

ソルボサーマル法は高温高圧下の溶媒中でナノ粒子合成を行うことが可能な手法である。このソルボサーマル法を用いてBaTiO₃ナノキューブの合成を行った。得られた生成物のキャラクタリゼーションはX線回折測定や電子顕微鏡観察などを実施した。ARIM（九州大学）では球面収差補正付き電子顕微鏡（JEM-ARM200CF）を用いてHAADF-STEMおよびABF-STEM観察を行った。また、元素分析には電子エネルギー損失分光法（EELS）を用いて行った。

結果と考察 / Results and Discussion

ソルボサーマル法により合成したBaTiO₃はナノキューブの形状をしていた。このBaTiO₃はナノキューブの粒子表面の電子顕微鏡（HAADF-STEMおよびABF-STEM）観察を行ったところ、表面再構成の存在を確認した。この表面再構成の元素を明らかにするためにEELSにより元素分析を行ったところ、チタンカラムにより表面再構成は形成されていた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations

その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究を実施するにあたり、九州大学の工藤昌輝氏のご尽力を賜りました。ここに深く感謝申し上げる。

成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)

1. Kouichi Nakashima, Temperature-Induced Lattice Defects and Surface Reconstruction in BaTiO₃ Nanocubes, Chemistry of Materials, 36, 8323-8329(2024).
   DOI: 10.1021/acs.chemmater.4c01245
   

口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.

1. Kouichi Nakashima、"Study of the outermost surface of a BaTiO3 nanocube"、The 10th International Symposium on Functional Materials（ISFM2024）、2024年8月
2. 中島光一、大谷隼斗、"ソルボサーマル法を用いたβ型リン酸三カルシウムの合成"、日本無機リン化学会 第33回無機リン化学討論会、2024年8月
3. 小林知矢、戸井淳文、栗原怜来、長谷川夏音、中島光一、"BaTiO3ナノキューブの表面再構成および格子欠陥に関する研究"、日本セラミックス協会 第37回秋季シンポジウム、2024年9月
4. 西井敦紀、小林芳男、中島光一、"精密微粒子設計に基づくAu/Bi複合ナノ粒子の作製および微構造解析"、日本セラミックス協会 第37回秋季シンポジウム、2024年9月
5. 中島光一、戸井淳文、栗原怜来、𠮷田樹雄、小林知矢、"BaTiO3ナノキューブの表面再構成"、無機マテリアル学会 第149回学術講演会、2024年11月

特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件