【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.05.13】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
24YG0120
利用課題名 / Title
ヌタウナギ卵突起部における3D立体構造
利用した実施機関 / Support Institute
山形大学 / Yamagata Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）加工・デバイスプロセス/Nanofabrication
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials（副 / Sub）マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials
キーワード / Keywords
ヌタウナギ,鉤,フック,ファスナー,X線回折/ X-ray diffraction,成形/ Molding,バイオアダプティブ材料/ Bioadaptive materials,3D積層技術/ 3D lamination technology,高強度・生分解性プラスチック/ High-strength, biodegradable plastic
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
中山 拓実
所属名 / Affiliation
山形大学大学院有機材料システム研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
川西 悠太,一関 蒼,宮瑾
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究の目的は、ヌタウナギの卵の突起部に見られる鉤（フック）構造を解析し、その特性を模倣して新しい面ファスナーの設計に応用することである。ヌタウナギ卵は卵同士を連結するために、曲面で鉤が係合する構造を有しており、光学顕微鏡での観察から、鉤同士が絡み合って卵同士が連結されることが明らかとなっている。この連結メカニズムは、面ファスナー技術への応用可能性を示唆している。研究では、ヌタウナギ卵の鉤構造を含水状態と乾燥状態で比較し、構造の変化を確認する。卵が含水していることから、その特性はゲルの膨潤特性に近いと考えられ、これが鉤の機能に与える影響を解析することが目的である。水分の有無が鉤の構造に与える影響をX線非破壊検査装置を使用して理解し、体積膨潤率を算出することで、鉤構造が面ファスナーとしてどのように機能するかを評価する。さらに、この鉤構造の特性を模倣して、ゲル材料を使用した鉤のみで係合する新しいタイプの面ファスナーを開発することを目指す。ゲル材料の特性を活かしつつ、鉤同士が絡み合う構造を有することで、より強固で柔軟性のある面ファスナーを実現することが期待される。最終的に、この研究はヌタウナギ卵の鉤構造を基にした新しい面ファスナーの設計における足掛かりとなり、既存の面ファスナー技術の改善や新しいデザインの提案につながると考えられる。
実験 / Experimental
X線非破壊検査装置（YG-602）を使用して、ヌタウナギ卵の突起部における鉤構造について解析を行う。含水状態と乾燥状態のサンプルをスキャンし、突起部における鉤構造の配置の変化をスライス画像から読み取る。また、鉤構造の状態の変化を3D画像および透過画像から解析し、鉤構造の詳細な変化を明らかにする。
結果と考察 / Results and Discussion
ヌタウナギ卵の突起部における鉤構造の配置は、水の有無による変化は見られなかった。配置は同心円状であり、鉤同士が隙間を埋めるように互いに異なる角度で発生していることが確認された。この配置は、鉤がより絡みやすくなるための構造であると考えられる。一方、水の有無による鉤構造の状態には大きな変化が見られた。乾燥状態では、鉤構造は倒れてしまい、立っていないことが確認された。しかし、含水状態では鉤構造はしっかりと立ち上がり、元の構造を保っていた。これらの結果は、乾燥によって鉤構造が縮んだためと考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 ヌタウナギ卵の突起部における鉤構造（乾燥状態）
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 中山拓実, 宮瑾, "ヌタウナギ卵の突起部構造を模倣した新規面ファスナーの開発" 第73回高分子学会年次大会 （仙台）, 令和6年6月5日～7日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件