利用報告書 / User's Reports

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【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.03.13】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24KT2320

利用課題名 / Title

リキッドバイオプシーのための診断技術の開発

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials

キーワード / Keywords

SU-8モールド,マイクロ流体デバイス,リソグラフィ/ Lithography,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,膜加工・エッチング/ Film processing/etching


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

赤間 健司

所属名 / Affiliation

シスメックス株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

Hapsianto BenediktusNixon

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

岸村眞治,江崎裕子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-103:レーザー直接描画装置
KT-332:触針式段差計(CR)
KT-111:ウエハスピン洗浄装置
KT-119:両面マスク露光&ボンドアライメント装置
KT-210:ドライエッチング装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

組織を採取する検査(バイオプシー)は、患者にとって大きな負担である。我々は、血液などの検体中に存在する細胞、タンパク質、遺伝子などを詳細に分析することで患者への負担の少ない検査(リキッドバイオプシー)を実現することを目指している。本課題では、マイクロ流体デバイスを用いたリキッドバイオプシーの実現を目指し、2段流路構造のSU-8モールドを作製した。

実験 / Experimental

2段流路構造のマイクロ流体デバイスの作製プロセス概要を図1に示す。
1. フォトマスクの作製
(a) AZP1350レジスト薄膜マスクブランクスをレーザー直接描画装置(Heidelberg DWL2000, KT-103)でパターニングした。
(b) フォトレジストをTMAHで現像後、マスクブランクスのCr単層膜をエスクリーンS-24でエッチングした。
(c) エッチング後、フォトレジストをSPM(sulfuric-peroxide mixture)洗浄で除去した。
2. 1段流路の形成
(a) SPM洗浄したSi基盤に、流路の鋳型となるフォトレジスト(SU-8 3050)を約30µmの厚さでスピンコートした。
(b) ホットプレートで110℃/3分の熱処理後、30分間徐冷した。
(c) マスクと厚膜レジストSi基盤をコンタクト方式露光装置(KT-119)で露光した。(露光量:300mJ/cm²)
(d) ホットプレートで65℃/2分の熱処理後、95℃5分の露光後加熱(PEB)を行い、30分かけて徐冷した。
3. 2段流路の形成
(a) 厚膜SU-8レジスト上に、SU-8 3010を約10µmの厚さでスピンコートした。
(b) 95℃で15分熱処理した後、30分間徐冷した。
(c) フォトマスクのアライナーマークと1層目のレジスト上に転写したアライナーマークをアライメントし、露光した。
(d) ホットプレートを用いた65℃で2分間熱処理した後、95℃で5分間露光後加熱を行った。
4. 現像
(a) PMシンナー(現像液)で約3分間現像し、純水で十分リンスした。
(b) エアーガンで軽く乾かし、現像したパターンを顕微鏡で確認した。
(c) 200℃で60分間ホットプレートによる加熱処理を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

本実験では、未現像の厚膜レジスト上に薄膜レジストを塗布し、その後パターニングする手法を適用した。SU-8 3050を用いて高さ32µmの1段目の流路鋳型が形成され、SU-8 3010の約5µmの薄膜を塗布することで、高さ38µmの2段目の流路が形成された。また、流路幅を計測した結果、設計通りの10~200µm幅のパターンが形成されていることを確認した。本SU-8鋳型から転写されたPDMS流路は、深さの異なる2段流路が転写されていることも確認した。以上により、本手法を用いて、2段流路構造のSU-8鋳型の作製に成功した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 2段流路構造のマイクロ流体デバイスの作製プロセス概要図


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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