【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.03.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24KT2257

利用課題名 / Title

周期構造による波長放出に関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）加工・デバイスプロセス/Nanofabrication（副 / Sub）計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials（副 / Sub）-

キーワード / Keywords

熱インプリント, 表面処理, 構造観察,スパッタリング/ Sputtering

利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

植松 裕之

所属名 / Affiliation

星和電機株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

藤原公美子

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

岸村眞治,江崎裕子

利用形態 / Support Type

（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）,技術相談/Technical Consultation

利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-202：多元スパッタ装置（仕様Ｂ）
KT-240：熱インプリント装置
KT-306：3D測定レーザー顕微鏡

報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

今後益々進んでいくIoT化に対応するためには,更なる高機能化を実現する新技術が必須である.本研究では,部材に周期構造を持たせることで,特定の波長が放出されるような制御部材を,柔らかく薄い基材に付与することを目指した.光波長を制御するためのnmオーダー付近の微細加工,柔らかく薄い基材に付与するための特殊な加工装置が必要であった.京都大学ナノテクノロジーハブ拠点の加工設備を利用して達成した.

実験 / Experimental

熱インプリント装置（KT-240）にて,柔らかい基材(樹脂フィルム)に周期微細構造を転写した.金型はSiウエハ（表面に周期構造あり）にて作製,使用した. 「設計通りの周期構造が転写できているか(特に深さ)」はレーザー顕微鏡（KT-306）にて観察した.

結果と考察 / Results and Discussion

顕微鏡観察結果から,薄膜樹脂フィルム表面に微細パタン(縦,横,深さ)を設計値通りに転写できたことが確認できた（Fig.1）.基材の樹脂厚みに関しては, 100μmまでは安定的に作製できたが,10μm程になると転写後の試料が金型から剥離できない（一体化する）,転写ムラが発生するなどの課題が発生した.これは基材の厚みが薄いことで,剥離時に基材自体の応力の助力があまり期待できないこと,装置の圧力や温度の僅かな不均一環境の影響を大きく受けてしまうことなどが要因として考えられた.支援スタッフの皆様からご助言を頂きながら,課題解決に取り組んだ.
剥離に関しては剥離剤の分子構造に着目し,より柔軟性のある構造を選定することで滑り性を向上させたところ,厚みの薄い基材でも剥離させることができるようになった.転写ムラについては,装置の熱拡散層（グラファイト）の歪みや傷などが無いものを使用し,転写後の冷却時間を長く取ること（基材全体を変形しない温度まで下げる）で, 装置圧力や温度の変更なしに改善できることが分かった.
今回の実験を通して,熱インプリント装置で柔らかく薄い基材に微細構造を持たせる際の条件について,知見を増やすことができた.今後は,複層膜などについても自在に転写するための知見獲得を目指していきたい.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations

Fig.1　熱インプリント結果例_転写後（3D測定レーザー顕微鏡）

その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)

成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)

口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.

特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：2件