【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.05.15】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24NM0133

利用課題名 / Title

アルカリ金属含有蓄電池材料の組成分析

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion（副 / Sub）-

キーワード / Keywords

誘導結合プラズマ発光分光/ Inductively coupled plasma emission spectroscopy, ナトリウムイオン電池/sodium ion battery,電極材料/ Electrode material,二次電池/ Secondary battery

利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

中本 康介

所属名 / Affiliation

東京理科大学　理学部第一部応用化学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

五十嵐　大輔,守谷　洸大,駒場　慎一

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

岩撫　暁生,川田　哲,山口　仁志

利用形態 / Support Type

（主 / Main）技術代行/Technology Substitution（副 / Sub）-

利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-203：誘導結合プラズマ発光分析装置群

報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

アルカリ金属含有Ir層状酸化物は、P2型K_xNa_yIrO₂が唯一合成できることが知られているが、その正確なアルカリ金属含有量は不透明であった。そこで、合成条件を改めた上、イオン交換法によりP2型Na_xIrO₂の合成を行い、ICP-OES測定から双方の試料の層間に含まれるNa, K量を明らかにした。また、Naを含有するプルシアンブルー類似体Na_xM[Fe(CN)₆]y(Mは3d元素)はNaイオン電池の電極材料としての利用が期待される物質であるが、合成条件により多くの場合[Fe(CN)₆]^4-アニオンの欠損が生じることが知られている。本研究では種々のプルシアンブルー類似体のICP-OES測定を実施し、アニオン欠損量を求めて正確な化学組成を明らかにした。

実験 / Experimental

Na₂CO₃, K₂CO₃, Ir金属を原料として、固相法からP2型K_xNa_yIrO₂を合成した。また、得られた試料とNaIをNaI大過剰で混合し、溶融塩法によるイオン交換でP2型Na_xIrO₂を合成した。これら2試料からアルカリ金属、Irを定量するための試料溶液をそれぞれ調製し、ICP-OES測定を行うことで、試料の化学組成を決定した。Na₄[Fe(CN)₆]とMCl₂を原料とする共沈法によってプルシアンブルー類似体を合成した．濃塩酸を用いてNa_xCo[Fe(CN)₆]_y，Na_xMn[Fe(CN)₆]_y，Na_xNi[Fe(CN)₆]_yを溶解し均一な試料溶液を得た．ICP-OES測定によりNa，Co，Mn，NiおよびFeの濃度を測定し，Mに対するNa，Feの物質比を算出することにより試料の化学組成を決定した．

結果と考察 / Results and Discussion

表１にICP-OESの結果から算出した、各試料の組成を示す。既報では、P2-K_0.75Na_0.25IrO₂と組成が報告されていたが、ICP-OES測定から、アルカリ金属は当量までは入っていないことが分かった。また、そこからイオン交換で合成したP2-Na_xIrO₂のアルカリ金属イオンの総量はイオン交換前とほぼ変わらず、Kが単純にNaに交換されたことが分かった。表2はICP-OESによって求められた試料中のNa、Co、Mn、NiおよびFeの濃度(質量%)である。この結果から求められた試料の化学組成はNa_2.03Co[Fe(CN)₆]_1.05、Na_1.70Mn[Fe(CN)₆]_0.93、Na_1.74Ni[Fe(CN)₆]_0.94であり、合成条件にもよるがMをMnやNiとしたプルシアンブルー類似体はアニオン欠損が生じやすいことがわかった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations

表1. [1]NaCoFe、[2]NaMnFeおよび[3]NaNiFeのNa、Co、Mn、NiおよびFeの含有率及び添加回収試験の結果（単位：質量%）

表2. ICP-OESの測定結果

その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)

成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)

口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.

特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件