利用報告書 / User's Reports

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【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.04.07】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24AT0158

利用課題名 / Title

貴金属プリカーサ分子の基板表面反応に関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

先端半導体(超高集積回路)/ Advanced Semiconductor (Very Large Scale Integration),電子分光/ Electron spectroscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

浅沼 周太郎

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

山崎 将嗣

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-031:原子層堆積装置_1[FlexAL]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

これまで半導体素子の微細配線には主に銅配線が使用されて来た。しかし、半導体素子の微細化に伴い銅配線の抵抗率が増大しているため、微細加工した際に銅よりも抵抗率が低くなる材料としてRuが注目されている。現在、Ru膜用のプリカーサは数種類提案されているが、業界標準となっている材料はまだない。そのため、機械学習を用いて効率的にRu膜用プリカーサに適した構造を探索する研究を進めている。本課題では、機械学習に使用するためのデータセットを作成するために、ALD法を用いてRu膜を成膜しその特性を評価する実験を行う。

実験 / Experimental

ALD装置を用いて熱酸化膜付きSi基板上にRu膜を成膜するとともに、成膜の途中でXPS測定を行ってサイクル数に応じてXPSスペクトルがどの様に変化するかの評価を行った。成膜条件は下記の範囲で変化させた。
基板:膜厚500nmの熱酸化膜付きSiウエハ
反応ガス:Ar
パワー:400W
成膜方式:サーマル
プリカーサ:TRuST
材料暴露 [時間]:1.5sec、3sec
反応ガス:NH3、H2
酸化・還元 [時間]:10sec
ガス圧力:80 mTorr
基板温度:150℃、170℃、190℃、210℃、230℃、250℃
サイクル回数:150cycle
また、成膜後に断面TEM像を撮影し、膜厚や粒径等の評価を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

図1は反応ガスにNH3を用いて基板温度150℃、170℃、190℃、210℃、230℃、250℃で成膜したRu膜の成膜サイクルとRu3dのXPSスペクトル強度の関係を表している。いずれの基板温度でも成膜サイクル数とXPS強度はほぼ比例していることが分かる。また、図2は反応ガスにNH3を用いて150サイクル成膜したRu膜の基板温度とRu3dのXPSスペクトル強度の関係を表している。基板温度が上がると指数関数的にXPSスペクトル強度が増大していることが分かる。これらの結果からサイクル数に比例して膜厚が増大している様に見えるが、これらの実験とは別に断面TEM像を撮影したところ、250℃で150サイクル成膜した試料でも2nm程度しかなかった。このため、SiO2上に今回の成膜条件ではSiO2上にRu膜はほとんど成長しないことが明らかになった。膜厚が増大していないのにXPS強度が強くなっていることについては、基板上に成長した島状Ruの面積が増大しているためと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1.反応ガスにNH3を用いて基板温度150℃、170℃、190℃、210℃、230℃、250℃で成膜したRu膜の成膜サイクルとRu3dのXPSスペクトル強度の関係



図2.反応ガスにNH3を用いて150サイクル成膜したRu膜の基板温度とRu3dのXPSスペクトル強度の関係


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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