利用報告書 / User's Reports

  • 印刷する

【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.04.18】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24NU0010

利用課題名 / Title

TEMを用いた半導体デバイスの故障個所の抽出・微細観察・分析手法

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学 / Nagoya Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/ Electronic microscope,電子回折/ Electron diffraction,エレクトロデバイス/ Electronic device,先端半導体(超高集積回路)/ Advanced Semiconductor (Very Large Scale Integration),電子分光/ Electron spectroscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

沖 朋幸

所属名 / Affiliation

株式会社ソシオネクスト

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

荒井 重勇,樋口 公孝

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-103:高分解能透過電子顕微鏡システム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

半導体デバイス内部の故障を確認するため、シュミレーションでの故障解析診断、IR-OBIRCH法、エミッション法、発熱解析法で不良箇所などからおおよその不良箇所を抽出後、各層観察、SEM-Voltage Contrast法(以下SEM-VC)、電子ビーム吸収電流法(以下EBAC)により、配線/トランジスタのオープン/ショートを究明している。様々な手法から故障箇所を抽出したのち、TEM観察による故障メカニズムを視覚的に見いだせるか調査した。

実験 / Experimental

5nmテクノロジ/積層構造17層品の不良サンプルを用いて不良箇所特定を行った。不良回路箇所の絞り込みをするために実施したシュミレーションによる故障箇所診断からは、数本のNet配線を抽出した。IR-OBIRCH法、エミッション法、発熱解析法からは異常を示す反応/発光は得られかった。シュミレーションから抽出した推定Net配線を、最上層の17層目から1層づつ剥がしながら各層観察を、表面観察及びSEM-VC/ナノプローバーによるEBAC法でのオープン/ショートチェックを繰り返し調査を実施。11層でのEBAC調査において、推定Netとは別の異常なEBAC反応を確認。この異常なEBAC反応は推定Netとショートしていることを意味する。図面情報より、異常なEBAC反応と推定Netとは9層において一部隣り合う部分があり、その隣接部分でのショートがあると推測。9層配線の状態を確認するために、EBACで異常を確認した11層目から被疑箇所FIB加工により摘出。その後FIBにより9層目の直上と反対側の8層を除去、薄片試料の平面TEM観察を行った。その後さらにFIBで幅5um、厚さ70nmの断面TEM試料を作製し観察。電子顕微鏡による観察結果よりショート原因の考察を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

平面TEM/STEM観察において、絞り込んだ故障推定箇所の隣り合う9層配線間隔が狭く、正常な状態であれば25nm程の配線間隔のところ、異常箇所付近においては10nm程しかなかった。最も狭い箇所で配線同士が干渉しているように見える。その異常の様子は平面TEM観察から伺える、異常発生したメカニズムまではわからなかった為、断面TEMへと移行。ショート箇所の断面構造を観察する事により不良メカニズムを考察した。断面TEM観察からは、隣り合う9層配線間の間隔が狭いため、抜きが悪くショートしている。さらにEDXでのMapping分析を行うことで隣り合う配線と同一元素を検出することもわかった。それらの結果から配線のパタン異常であることが推測できる。パタ-ン異常の原因は特定でき、9層配線のショート原因はマスク製造ミスであった。露光時の異常により配線が狙いより太くなる事によって、配線間が狭くなりショートしたと考えられる。通常、配線間の異常を推定した場合、SEMによる観察を行ってきたが、5nmテクノロジではSEMの解像度では観察しにくいケーが多くなっているためTEMによる調査を行った。大規模回路においてシュミレーションによる故障診断の妥当性を確認することができた。また、SEMではなくTEMを選択するケースも微細化が進むにつれ多くなっていくと考えられるが、SEMにくらべTEMでは観察範囲が狭くなってしうため、絞り込みが重要である。今回と同じように不具合箇所の特定や観察、不具合原因を視覚的にTEMで捉えられるのか実験を継続していく。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究(の一部)は、文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ事業課題として名古屋大学微細構造解析プラットフォームの支援を受けて実施されました。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る