利用報告書 / User's Reports

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【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.05.20】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24TT0008

利用課題名 / Title

三次元微細加工のためのレジスト材評価

利用した実施機関 / Support Institute

豊田工業大学 / Toyota Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

立体へのパターニング,光学顕微鏡/ Optical microscope,高品質プロセス材料/技術/ High quality process materials/technique,MEMS/NEMSデバイス/ MEMS/NEMS device,光リソグラフィ/ Photolithgraphy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

和島  達希

所属名 / Affiliation

株式会社ハイブリッジ

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

佐々木実 教授

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TT-006:マスクアライナ装置
TT-015:デジタルマイクロスコープ群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

豊田工業大学の佐々木教授が考案した立体サンプル向けフォトリソグラフィのレジストプロセスは、液体レジストをサンプルに塗るのではなく、平面のシートや基板に塗って固体膜にする。固体膜の下地には、水溶性ポリマーであるPVA膜があり、PVA膜と基板間で剥がすことで、薄膜の固体膜とし、これを目的の立体サンプルに貼る。固体膜を予め露光しておけば、微細パターン形成までが済んでいるため、立体サンプル側の影響を抑えつつ良質なパターンが得られる。立体形状の凹凸が大きいほど、レジスト膜の変形が必要になると同時に、サンプルへの密着力が強いことが望ましい。貼付け器具に求められる性能にも関係するため、これらの特性を備えたフォトレジストを探してみた。

実験 / Experimental

互応化学工業社のネガ型レジストEKIRESIN PER-800(ST-27SM)を検討した。アクリル系のネガ型レジストであることから、膜の変形がし易いと期待される。また実装応用のウェットエッチングで利用されていることから、密着力も期待される。但し、解像度がカタログで30-40µmではあった。これは膜厚を薄くすることで対応可能ではないかと考え、希釈して利用することとした。レジストとシンナー(PGMEA)を重量比2:1で希釈し、回転数2000rpmでスピンコートした(測定してないが推定膜厚は4から8µm)。i線フィルタがかかったマスクアライナで露光し、有機アルカリ現像液(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドTMAH濃度2.38%のもの)に60s浸して現像した。該当のレジストPER-800(ST-27SM)は後工程用途のため、推奨は1%NaOH水溶液である。2インチSi基板に希釈したレジストをスピンコートし、ドーズ量を変えながら幅20µmのライン-アンド-スペースをパターニングした。

結果と考察 / Results and Discussion

ドーズ量50mJ/cm2ではパターンは得られず、レジスト膜が全て流れた。ドーズ量100, 150, 300mJ/cm2にて露光した結果を図1、2、3にそれぞれ示す。マスクで遮光部だった5本分の領域は、Si基板が現れている。ドーズ量100mJ/cm2ではコントラストが低い。レジスト膜が得られた領域を、手袋で擦ったが跡が付かず、膜が丈夫で密着強度がある程度得られている。図2と3の出来上がりは、ほぼ同等である。パターンのエッジは、ザラザラしており、パターンの鋭さは無い。幅10µmのライン-アンド-スペースのパターンは全ての条件において図1のようなコントラスト不足であった。現像液が推奨のものと異なる点はあるものの、膜厚を薄くしても材料特性が不足していると判断される。また、レジスト膜表面には若干の色の濃淡が見られ、表面粗さがあると考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1:ドーズ量100mJ/cm2でのパターニング結果



図2:ドーズ量150mJ/cm2でのパターニング結果



図3:ドーズ量300mJ/cm2でのパターニング結果


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・共同研究者:佐々木実教授(豊田工業大学 大学院工学研究科)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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