利用報告書 / User's Reports

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【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.05.05】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24UT1128

利用課題名 / Title

マイクロ流体デバイスの作製

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials

キーワード / Keywords

リソグラフィ,光リソグラフィ,膜加工・エッチング,ダイシング,ボンディング,流路デバイス,フローサイトメトリー、細胞分取、MEMS/NEMSデバイス,フォトニクスデバイス,ダイシング/ Dicing,リソグラフィ/ Lithography,メタマテリアル/ Metamaterial,MEMS/NEMSデバイス/ MEMS/NEMS device,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,膜加工・エッチング/ Film processing/etching


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

合田 圭介

所属名 / Affiliation

東京大学理学系研究科化学専攻

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

島本 直伸,太田悦子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-800:クリーンドラフト潤沢超純水付
UT-505:レーザー直接描画装置 DWL66+2018
UT-604:高速シリコン深掘りエッチング装置
UT-900:ステルスダイサー
UT-906:ブレードダイサー


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

マイクロ流体デバイスはハイスループットなフローサイトメトリーに不可欠な部品であるが、従来使われていたものはデバイス形状の制約からスループットに限界があった。具体的には、サンプルの導入と排出が同方向から行われていたため、長時間の測定では細胞等が重力による影響で滞留する問題があった。そこで、デバイス作製ステップを改良し、サンプル導入部と排出部を別方向から行うことでスループットを向上することができた。

実験 / Experimental

まず、武田クリーンルーム(CR)でSiウェハにチップの形状に合わせた溝を掘った。描画の際はCR利用者Wikiに従いSPMで洗浄、HMDSを3000 rpm, 30秒でスピンコートし110 ℃で1分ベークしたのち、AZP4620レジストを3000 rpm, 60秒でコートし、110 ℃・2分ベーク、レーザー直接描画装置 DWL66+2018の20 mmヘッドで300 mWのパワーにて描画した。続いて高速シリコン深掘りエッチング装置により描画されたパターンから50μm程度の溝を掘った。エッチングの際はCR利用者Wiki内記載のSPT-HRレシピにて行った。このSiウェハとホウケイ酸ガラスウェハを陽極接合したのち、再度基板のSi側に同条件で流路構造を描画した。続いて高速シリコン深掘りエッチング装置によりガラスウェハが露出するまでエッチすることで描画されたパターンから実際の流路構造を作製した。続いて流路の掘られたウェハのサンプル導入部に精密二次元NC加工装置で穴を開け、また別のガラスウェハ上にサンプル排出部用の穴を開けた。最後にブレードダイサーでSi/ガラスウェハとガラスウェハをダイシングして再度陽極接合し、CR外でこのチップにサンプル導入・排出チューブや固定用治具などを組み合わせることでマイクロ流体デバイスとした。

結果と考察 / Results and Discussion

Figure 1にマイクロ流体デバイスの構造を示す。Figure1(a)のようにマイクロ流体デバイスの同じ側からサンプルを導入・排出する構造をFigure1(b)のように異なる側から導入・排出する構造に変更することで、デバイスに接続されたチューブ内でのサンプルの滞留を防ぎ、結果としてスループットを3倍程度向上させることができた。こうしたハイスループットなフローサイトメトリー技術やそれを活かした細胞選抜技術を使うことで、例えば割合の極めて少ない細胞を観察・分取することができる。さらに、フローサイトメトリーの結果と連動してリアルタイムに細胞を分取し、分取した細胞を培養することで様々な応用が期待される。なお、上述の加工に際して利用したレシピはCR利用者Wikiに記載のレシピを利用しているが、このレシピにより最小幅50 μm程度の構造が問題なく描画できた。また、描画したパターンのエッチングの際もCR利用者Wikiに記載のレシピを利用したが、深さ200または300 μmの貫通構造が深掘りエッチングにより問題なく作製できた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Figure 1. マイクロ流体デバイスの構造の比較。(a)サンプルを同じ側から導入・排出すると、チューブ内にサンプルが滞留するため、スループットが落ちる。(b)サンプルを上から導入・下から排出することで、サンプルの滞留を改善し、スループットが向上した。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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