利用報告書 / User's Reports

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【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.04.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24UT1083

利用課題名 / Title

フッ素系ICPエッチャーによるCrハードマスクおよび光学薄膜のドライエッチング技術開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

光デバイス/ Optical Device,メタマテリアル/ Metamaterial,膜加工・エッチング/ Film processing/etching


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

戸田 達也

所属名 / Affiliation

AGC株式会社材料融合研究所機能部材部コーティングチーム 

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

水島彩子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-600:汎用ICPエッチング装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

Cr薄膜はフッ素系ドライエッチングにおけるハードマスクとして一般的に用いられている。通常CrハードマスクのドライエッチングはCl2/O2系により行われるため、フォトレジストとの選択比を得ることが困難であり、また別途塩素系エッチング装置の利用が必要となる。そこで従来文献を参考に、SF6/O2系によるCrエッチングを試みた。またフッ素系ドライエッチャー単独でのCrハードマスクと光学薄膜のエッチングを目的に、a-Si薄膜とCr薄膜のSF6/O2系およびSF6/CHF3系におけるエッチングレートを算出した。

実験 / Experimental

自社にてガラス基板上にスパッタ成膜した膜厚100 nmのa-Si薄膜とCr薄膜を、ICPドライエッチング装置CE-300Iを用いてSF6/O2およびSF6/CHF3によりドライエッチングした。SF6/O2系では、1.5 Pa、ICP/Bias = 300/50 W、SF6/O2 = 2.0/98.0 sccm、SF6/CHF3系では、1.0 Pa、ICP/Bias = 300/20 W、SF6/CHF3 = 2.0/18.0 sccmの条件で、それぞれ30秒から120秒間のエッチングを行った。エッチング後、事前にカプトンテープでマスキングした箇所の段差を自社にて測定することにより、エッチングレートを算出した。

結果と考察 / Results and Discussion

図1はSF6/O2系、図2はSF6/CHF3系におけるa-Si薄膜およびCr薄膜の、エッチング深さ時間依存性である。算出したSF6/O2系によるエッチングレートは、a-Si薄膜は10 nm/min程度だったのに対し、Cr薄膜は45 nm/minであり、a-Siに対するCrのエッチング選択比4.5が得られた。参考文献では、CrはSF6流量比0.5%のO2リッチな条件で、CrOF2としての脱離が極大となることが報告されている。一方で、a-SiのエッチングレートはSF6流量比減少により低下すると予想されるため、本条件では十分なエッチング選択比が得られたと考える。反対に、SF6/CHF3系におけるa-Si薄膜のエッチングレートは100 nm/min程度だったのに対し、Cr薄膜は120秒間のエッチングでも段差測定不可であり、本条件におけるCrに対するa-Siのエッチング選択比は無限大であるといえる。上記結果より、a-SiおよびCrは、SF6/O2系およびSF6/CHF3系エッチングにおいて互いに十分なエッチング選択比が得られることが確かめられた。すなわち、フッ素系エッチャー単独使用による、a-SiをマスクにしたCrハードマスクエッチングと、Crをマスクにした光学薄膜のエッチングが可能となった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 SF6/O2系エッチングによるa-Si薄膜およびCr薄膜のエッチング深さ時間依存性



図2 SF6/CHF3系エッチングによるa-Si薄膜およびCr薄膜のエッチング深さ時間依存性


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献: Cr and CrOx etching using SF6 and O2 plasma | Journal of Vacuum Science & Technology B | AIP Publishing


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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