利用報告書 / User's Reports

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【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.04.03】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24IT0006

利用課題名 / Title

マスクレス露光装置とRIE装置を用いたSiNフォノニック結晶薄膜の作製

利用した実施機関 / Support Institute

東京科学大学 / Science Tokyo

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

フォトニクス/ Photonics,光リソグラフィ/ Photolithgraphy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

宗宮 健太郎

所属名 / Affiliation

東京科学大学理学院物理学系 宗宮研

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

鈴木海堂

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

宮本恭幸

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

IT-003:マスクレス露光装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

低損失機械振動子として光干渉計のテストマスに用いる。変位測定の精度を向上 すると、不確定性原理の要請で運動量の反跳が増加し、結果的に標準量子限界と呼 ばれる測定限界を超えられなくなる。量子限界に閉じ込めた巨視的なテストマ スの振る舞いを観察することで、ミクロとマクロの違いについて検証することがで きると考えられる。量子限界に到達するためには熱揺らぎの小さな振動子が 必要である。SiN薄膜は損失の小さい振動子として光学測定実験でよく用いられる材 料であるが、薄膜にパターンをつけることで特定のモードの機械損失をさらに軽減したものはフォノニック結晶と呼ばれる。本研究ではフォノニック結晶を製作し、 巨視的量子力学の検証実験に用いることを目的とする。

実験 / Experimental

100mm角のSiN薄膜を中央部に備えた200mm角のSiグリッドに80um径の穴 を12um間隔で並べたパターンを作成する。中央部(1mm径程度)はテストマスと して用いるので穴を開けない。パターンの作成方法は、2段階に分かれる。まずマスクレス露光機を用いて、グリッドをベースに固定し、フォトレジストを塗布 し、UVリソグラフィでパターンを描写する。次にRIEを用いてエッチングを行 い、SiNに穴をあける。昨年度は、グリッドをシリコンベースに固定し、リソグラフィでテストパターンを描写するところまで実施したが、本年度は、まずシリコンベースをSUSの治具に置き換え、リソグラフィの改良を実施した(図1)。次に、最終目的であるフォノニック結晶のパターンをリソグラフィで描写したものをRIEするために必要なパラメタの最適化を行うために、異なる時間でRIEしグラデーションをつけた薄膜を製作し、エッチングの深さを比較した(図2)。

結果と考察 / Results and Discussion

市販のSiNグリッドに対し、露光時間を変えてエッチング(RIE)を試した。グリッドの一部をシリコンの板でカバーした状態で露光し、またずらしてRIEをすることで、3種類の深さの違うグラデーションをつけることができた。条件次第ではグリッドが破損することもあったが、最終的に最適な露光時間を見つけることができた。これで、来年度は、フォノニック結晶のパターンに対してRIEを施すことで、フォノニック結晶薄膜が完成する見込みがついた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 SUSの治具に固定されたグリッド



図2 異なる時間でRIEしグラデーションをつけた薄膜


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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