利用報告書 / User's Reports

  • 印刷する

【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.09】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1098

利用課題名 / Title

有機材料を用いたハイブリットボンディング用プロセス開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

CMP,高品質プロセス材料/技術/ High quality process materials/technique,スパッタリング/ Sputtering,リソグラフィ/ Lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,ハイブリッドボンディング/ Hybrid Bonding


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

壽慶 将也

所属名 / Affiliation

東レ株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

野村康大

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

三田吉郎,水島彩子,豊倉敦

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-505:レーザー直接描画装置 DWL66+2018
UT-707:銅メッキ装置
UT-850:形状・膜厚・電気特性評価装置群
UT-901:精密研磨装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近年、高性能パッケージング技術の代表的手法の一つとして半導体チップを縦積みする3次元積層(3DIC)が挙げられる。その中でも特に重要な技術がチップ間のシリコンおよび金属配線の接合技術である。また昨今では半導体チップ自体の高性能化のため、チップ内の金属配線密度が求められており、微細な配線幅も合わせて要求される。そのため現在はマイクロバンプと呼ばれる25-100μm程度の微小なはんだバンプでチップ間を接続する方法が最も一般的な方法とされているが、マイクロバンプによるはんだ接合は、より高性能な配線ピッチの短い半導体チップへの適用には困難となっている。 そこで25μm以下のより配線ピッチの短いチップの接合については、ウエハとチップの表面に形成した金属配線同士を直接接合させるハイブリッドボンディング(HB)と呼ばれる技術が提唱されており、特に一つのパッケージで異種チップを接合させるチップレット構造と組み合わせたChip to Wafer(C2W)-HBが次世代高密度実装技術として注目されている。これまでHBの絶縁材料としてはSiO2等の無機材料が検討されてきたが、C2W-HBにおいては、主に2つの課題があるとされている。1つはチップ化のダイシング時に生じるシリコンダストをHB時に噛み込んでしまい、ボイドが生じること、もう1つはSiO2の接合に必要な熱処理が350℃程度と高温であるためパッケージへのダメージが大きいことであり、洗浄工程や表面改質方法の探索がなされている。我々は上記の課題解決手法として絶縁材への樹脂ポリマーの適用を目指しており、材料および加工プロセスについて検討中である。そのプロセスの中でも特に樹脂材料のCMP工程は過去知見が少なく、また樹脂の種類が変わると加工条件等が大きく異なるため、当社材料におけるCMP加工性の検討が必須と考えられる。そこで今回は樹脂材料がCMP加工可能であるかを確認し、またその加工の面内均一性を評価するべく実験検証を実施した。

実験 / Experimental

4インチシリコンウエハに当社樹脂材料をコーティングし、武田CRのCMP装置を用いて樹脂材料に対して研磨加工を実施した。加工にはアルカリ性のスラリーを用いた。その後樹脂材料の膜厚を測定してCMP加工における研磨レートと面内均一加工性能について評価し、加工レートが300nm/min以上でかつ面内均一加工性能が高い条件を探索した。具体的な評価方法としては、光学式膜厚計にて加工前後の樹脂材料の膜厚を比較して研磨可能な条件探索を実施し、またさらに加工後のウエハ中心部と端部の膜厚差が小さくなるような条件探索を実施した。

結果と考察 / Results and Discussion

初めに当社材をスピン塗布後に硬化させた樹脂材料付き4インチシリコン基板を複数の条件においてCMP加工し、研磨レートの高い条件探索を実施した。CMP装置概略を図1に、代表的な加工条件とその結果を表1に示す。表1より赤枠内の条件4が最も研磨レートの高い条件であることが明らかとなったが、同時に4インチ基板内の位置によってCMP加工後の膜厚に差が生じていることが確認された。具体的には基板中心部よりも端部の樹脂膜厚が薄くなっており、これはCMP加工において角速度が同じために中心部よりも端部の実質移動距離の方が長くなることで摩擦の影響をより強く受けていると予想される。次に基板内の加工均一性を改善するために、CMP加工において圧力のかかり方を制御するパラメータであるBack pressureの条件検討を実施した。その結果を図2に示す。Back pressureを25 psiから40 psiまで変更したところ、徐々に基板中心部と端部の膜厚差「Range」が単調減少することが確認された。これはBack pressureの値を大きくすることで研磨ヘッド中心部の形状が変化して基板中心部がより加圧され、中心部の加工レートのみが向上したものと考えられる。これらの研磨条件検討から今回のCMP加工条件において、基板中心部と端部の加工レートが同程度となる最適なBack pressure条件は33 psiであることが明らかとなった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


表1 CMP加工結果



図1 CMP概略図



図2 Back pressure vs CMP加工後のウエハ面内均一性およびCMP加工レート


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

  • 【更新日】0年0月0日
印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る