【公開日:2025.07.02】【最終更新日:2025.05.07】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22KT1168
利用課題名 / Title
窒化物半導体のデバイス作製
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials
キーワード / Keywords
リソグラフィ/Lithography,フォトニクス/ Photonics,3D積層技術/ 3D lamination technology,成膜・膜堆積,膜加工・エッチング,オプトエレクトロニクス
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
船戸 充
所属名 / Affiliation
京都大学 大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
松田祥伸,梅本隆之介
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
諫早伸明
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KT-104:高速マスクレス露光装置
KT-107:厚膜フォトレジスト用スピンコーティング装置
KT-230:UVオゾンクリーナー・キュア装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
窒化物半導体を用いたデバイスはすでに実用化に至っているものもあるが、さらなる高機能化や高性能化に向けた研究が現在も活発に行われている。例えば、InGaN系青色LEDと蛍光体を用いた白色LEDは、照明などになくてはならないデバイスであるが、その演色性には問題があり、窒化物半導体だけで多色発光する素子が期待されている。また、緑色から長波長あるいは紫外域で動作するLEDやレーザは開発の途上にある。新たなデバイスを創成するうえで、半導体結晶の構造制御は有効な手段である。また、デバイスを作製するには、作製した結晶の加工および電極形成が必須である。本プロジェクトでは、京都大学 学際融合研究教育推進センター ナノテクノロジーハブ拠点の設備で、マスクレス露光や透明電極であるITOの蒸着などを行った。
実験 / Experimental
窒化物半導体結晶は研究室で有機金属気相成長法(MOVPE)により準備した。そのサンプルの表面に、本拠点の厚膜フォトレジスト用スピンコーティング装置(KT-107)でフォトレジストを塗布した後、サーマルリフロー法か高速マスクレス露光装置(KT-104)でグレースケールリソグラフィを実施し、レジストを三次元的な構造に加工した。研究室の反応性イオンエッチング(RIE)装置によりレジストの構造を窒化物半導体に転写した。
結果と考察 / Results and Discussion
窒化物半導体結晶による量子井戸発光層を三次元構造とすると、構成する結晶面によって発光色が異なることから、白色を含む多色発光が可能となる。従来の蛍光体を用いる白色LEDと異なり、キャリア再結合が速く、高速変調など新しい応用が拓けると期待している。これまで、三次元構造の形状は結晶成長に依存しており、表出する表面は表面エネルギーの小さな安定面に限られていた。そのため、利用できる面の種類に限りがあり、スペクトル合成の制限となっていた。これに対して、結晶成長前の基板表面にあらかじめ曲面を形成しておき、その上にInGaN系量子井戸発光層を形成することを検討している。この場合、曲面はある決まった結晶面方位ではなく、任意の面とすることができるため、発光波長の連続的な変化が期待される。10ミクロン程度のGaN膜の上に、京都大学ナノテクノロジーハブ拠点の厚膜フォトレジスト用スピンコーティング装置でレジストを塗布したのち、サーマルリフロー法か高速マスクレス露光装置でグレースケールリソグラフィを実施し、レジストを三次元的な構造に加工した。さらに、RIEによってレジストの三次元構造をGaNに転写した。本課題では主に、グレースケールリソグラフィおよびその後おRIEによる転写条件を精査し、突起物など残さずにGaNを加工する条件を探索した。今後はその条件を基にLEDなどデバイス化を目指す。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Yoshinobu Matsuda, Multiwavelength-emitting InGaN quantum wells on convex-lens-shaped GaN microstructures, Applied Physics Express, 15, 105503(2022).
DOI: 10.35848/1882-0786/ac934e
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Y. Matsuda, M. Funato, Y. Kawakami, et al. Applied Physics Express 15, 105503 (2022)
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件