【公開日:2025.06.26】【最終更新日:2025.06.16】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22TU0106
利用課題名 / Title
表面酸化物の分析
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ステンレス鋼, 高温酸化・窒化,電子顕微鏡/Electron microscopy,集束イオンビーム/Focused ion beam
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
庄子 哲雄
所属名 / Affiliation
東北大学 未来科学技術共同研究センター
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
Xiangyu Zhong,Yi Zhao,Jun Xiao,Ting Xiao
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
兒玉裕美子,早坂浩二
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TU-503:超高分解能分析電子顕微鏡
TU-507:集束イオンビーム加工装置
TU-508:集束イオンビーム加工装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
加圧水型原子力発電所における1次系配管には、ステンレス鋳鋼が用いられているが、運転時間の長期化に伴い熱時効に伴う組織の劣化が生じる。この組織的劣化と、2相ステンレスの各相における酸化に及ぼす水素の影響を明らかにする。具体的には、高温水中での二相ステンレス鋼の酸化挙動に及ぼす水素の影響の理解を深めるため、FIBを用いて酸化膜の断面試料を作製し、TEMで構造・組織を観察した。
実験 / Experimental
集束イオンビーム装置(FEI Quanta3D/Versa3D)を用いて、高温水中で二相ステンレス鋼に形成された酸化膜の断面から薄い断面試料を作成し、プローブコレクター透過電顕(Titan3 60-300 Probe Corrector)を用いて酸化膜の組成を分析した。
結果と考察 / Results and Discussion
図1aに、水素をチャージしていない試料Aとチャージした試料AについてPWR環境に500時間暴露により形成された酸化膜の断面のTEMモルフォロジーとEDXマッピングを示す。酸化膜は、微細な粒子を含むコンパクトな内層と不連続な大きな粒子を含む外層からなる。オーステナイト領域で形成される内層の厚さは、フェライト領域で形成される内層の厚さより厚い。CrとNiは、内側の酸化膜に濃縮されている。オーステナイト/フェライト界面は非常に明瞭で、Crはフェライトに富みオーステナイトに欠乏し、Niはオーステナイトに富みフェライトに欠乏している。Crは内側の酸化膜で濃縮され、酸化膜/金属界面で枯渇している。一方、Niは内側の酸化物層で枯渇し、酸化物/金属界面で濃縮している。図1bは、試料Aに形成された酸化膜の断面のTEM選択領域回折データであり、領域1-1と1-2は酸化膜の構造を示している。酸化物の外層と内層は異なる構造を示している。エリア1-3はマトリックス構造である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 高温水中で二相ステンレス鋼に形成された酸化膜の断面のTEM像、EDXマッピング、選択領域回折
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件