【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.05.16】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
24KT2519
利用課題名 / Title
モスアイ構造を使ったコードホイールの開発
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
光学デバイス,モスアイ,ナノインプリント,電子線リソグラフィ/ EB lithography,電子顕微鏡/ Electronic microscope,フォトニクス/ Photonics,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,膜加工・エッチング/ Film processing/etching
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
新関 嵩
所属名 / Affiliation
Bush Clover株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
廣谷 務
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
林 慶知
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KT-203:電子線蒸着装置
KT-209:磁気中性線放電ドライエッチング装置
KT-234:深堀りドライエッチング装置(1)
KT-301:超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡
KT-111:ウエハスピン洗浄装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
弊社では、無反射部に微細なモスアイ構造を有するロータリーエンコーダー用のコードホイールを製造するための技術の開発を行っている。本課題では、マザーモールドを作製する際に必要なプロセス技術の開発を行う。
実験 / Experimental
4inchSiウエハをまずウエハスピン洗浄装置(KT-111)にて洗浄し、その後、電子ビームリソグラフィ用ポジ型レジストであるAR-P6200を150nm程度の膜厚で塗布を行った。その後、EBリソグラフィ装置で、60nmφのホールパターンを140nmピッチで三角格子配列したものを露光した。露光後、ZED-N60にて60sec現像、IPAリンスを行い、N2ブローにて乾燥を実施した。その後、電子線蒸着装置(KT-203)を利用して、Crを30nm成膜した。
成膜後、リフトオフ作業を行い、Crのハードマスクを形成、それを利用して、深堀りドライエッチング装置(KT-234)を使用して、ベースとなるピラー構造を作製した。ピラーのテーパー角を制御するため、ボッシュプロセスのパッシベーション時のICPパワーを340W〜450Wまで変化させた。
その後、ピラー構造を時期中性子線放電ドライエッチング装置(KT-209)を利用して、モスアイ形状になるように追加エッチングを行った。その際に使用したガスはCl2で、エッチング時間は10〜30秒である。
加工した後、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(KT-301)を用いて、断面形状を観察した。
結果と考察 / Results and Discussion
図1は、ICPエッチャーでボッシュエッチングを行ったあとのSiピラー構造の断面SEM写真である。エッチング時のC4F8ガスでのパッシベーション時のICPパワーを変化させることで、ピラーの高さとテーパー角を変化させることができることを確認した。その後、作製したピラー構造に対して、Cl2ガスによるドライエッチングを実施したのが図2の写真である。元のピラー構造の違いでも、作製されるモスアイ構造は変わる上、エッチング時間自体でも形状が変化することを確認した。今後は、様々な条件で作製したモスアイ構造に対して、光学特性を評価していく予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図 1 ICPドライエッチング後の断面SEM写真
図 2 Cl2エッチング後の断面SEM写真
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
[参考文献] 中谷産業株式会社.エンコーダーのスリット盤およびそのスリット盤を使用したエンコーダー.特開2013-191864号.2013-9-12
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件