利用報告書 / User's Reports

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【公開日:2025.06.10】【最終更新日:2025.05.13】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

24GA0093

利用課題名 / Title

医療用センサの製作と評価

利用した実施機関 / Support Institute

香川大学 / Kagawa Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

医療用センサ,リソグラフィ・露光・描画装置,パターニング,リソグラフィ/ Lithography


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

小原 英幹

所属名 / Affiliation

香川大学 医学部 附属病院

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

吉本 圭介,田中 楽人,秋山 凌

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

高尾 英邦

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

GA-002:マスクレス露光装置
GA-003:スピンコータ-


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

先進的医療現場では、患者の情報を非侵襲で収集可能な各種の小型センサに対する期待とニーズが高まっている。本研究では、患者の体に負担とならない超小型のシリコンセンサ実現にむけて、継続的に微小なセンサ構造の開発を試みつつ,医療用センサの実現を目指している。そこで触圧を適正に維持する超小型センサの開発を継続的に行う。図1は超小型センサを実際に用いる際の使用イメージである。

実験 / Experimental

 これまで開発・形成してきた触圧センサの成果を基盤として、本研究ではさらにその性能を向上させるべく、改良型の触圧センサの形成に取り組んだ。本改良型センサは、単に触圧を検出するだけでなく、加えられる力の大きさや方向といった力覚情報の定量的取得を可能とする構造へと進化させている点に特徴がある。この目的のために、検出素子のレイアウトや支持構造に工夫を加え、より高感度かつ高分解能で力の変化を捉えられるように設計した。 使用した素材は、従来通り機械的安定性と高精度な加工特性を兼ね備えたSOI(Silicon on Insulator)基板である。このSOI基板上に、微細加工技術(MEMSプロセス)を用いて、センサ構造を精密に形成した。とくに、圧力による変形量だけでなく、剪断力や傾きといった多軸的な力成分にも応答できるよう、複数のセンサ素子を組み合わせた複合構造を導入した。製作にあたっては、マスクレス露光装置(大日本科研 MX-1204:GA-002)でマスクを作製し、スピンコータ(MIKASA MS-B150:GA-003)でレジスト塗布後、両面マスクアライナー(SUSS MicroTec MA6/BA6:登録外装置)でパターン形成し、シリコン深堀エッチング装置(SPPテクノロジ MUC-21 ASE Pegasus:登録外装置)でエッチング加工、酸化拡散炉(dSl VESTA-2100: 登録外装置)及びマグネトロンスパッタ(芝浦メカトロニクス CFS-4EP-LL:登録外装置)で成膜を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

図2は本課題で製作した力覚センサ部の拡大写真である。本改良により、触圧センサとしての機能を保持しつつ、力覚センシング機能を追加することに成功した。デバイスの製作工程を含む製造技術の開発においては、香川大学の工学系の共同研究者との密接な連携のもとに進められた。今回新たに製作したセンサには、計測上不可欠な新機能が追加されており、従来の検出性能に加えて、これまで取得が困難であった別の軸方向の力覚情報を高精度に取得できるようになっている。このような改良によって、センサの応答特性と多軸的センシング能力が大きく向上し、既存の医療技術への適用にとどまらず、将来的な次世代医療機器やロボット支援手術システムへの応用可能性もいっそう拡げられることとなった。これにより、センサの適用範囲は従来よりも格段に広がり、より多様な臨床現場や医療機器への実装が期待されている。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 内視鏡を通じて用いる触圧センサの使用状況イメージ



図2 触圧センサの触圧センサ部分の加工状態


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

共同研究者:香川大学 微細構造デバイス統合研究センター長 高尾英邦 教授


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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