【公開日：2025.06.10】【最終更新日：2025.04.09】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
24TU0040
利用課題名 / Title
新カット水晶Ｌａｍｂ波レゾネータの開発
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）加工・デバイスプロセス/Nanofabrication（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed（副 / Sub）-
キーワード / Keywords
水晶振動子,高周波,高周波デバイス/ High frequency device,MEMS/NEMSデバイス/ MEMS/NEMS device,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,膜加工・エッチング/ Film processing/etching
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
丸山 春樹
所属名 / Affiliation
リバーエレテック株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
今大健,内田雅哉
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
戸津健太郎,森山雅昭,鶴谷敏則,菊田利行,庄子征希,松本行示
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TU-058：マスクレスアライナ
TU-215：イオンミリング装置
TU-063：i線ステッパ
TU-319：パーク・システムズAFM
TU-060：現像ドラフト
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
広い温度範囲でATカット水晶振動子より周波数精度の良いKoT（Kerfed orthogonal plate waves for zero Temperature coefficient）カットの板波を利用したOPAW(Orthogonal Plate Acoustic Wave)振動子の開発を行っている。2023年度（23TU0019）の利用において、i線ステッパを用いてL/S（Line and Space）= 1.0 μm/1.0μm未満の櫛形電極(IDT: Interdigital Transducer)を形成する検討を行った。今年度の利用ではi線ステッパを利用して発振周波数1 GHzの水晶振動子を作製し特性の評価を行った。
実験 / Experimental
1. 外形φ4インチ、厚さ0.1 mmの水晶ウェハに、Cr , Auの成膜及びレジストTSMR(V90 27CP)のスピンコートを自社で行った。
2. 上記水晶ウェハをi線ステッパにて以下の条件の範囲で露光を行った。
露光量：50 ~ 300 mJ/cm2
NA：0.45 ~ 0.63
σ：0.3 ~ 0.5
3. NMD-Wで90秒の現像を行った。
4. イオンミリング装置でCr,Auのエッチングを行った。
5. 自社にて作製したウェハをデバイスまで組み上げ電気特性の評価を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
種々の露光条件の中でウェハの大部分で1GHzのIDTパターンを形成することができる条件を設定することができた。その条件下で露光した発振周波数1 GHzの水晶振動子のIDTパターン、電気特性、共振波形はそれぞれ図1、表１、図2に示す通りで、目的の性能を有する水晶振動子を作製することができた。これまで使用してきたマスクレスアライナでは、1 GHzのIDTパターンがマスクレスアライナの最小線幅を下回っていることに加え、図4に示すようなマスクレスアライナ特有のレーザーの継ぎ目によるパターンの不連続性が本デバイスの特性に影響を与え、所望の特性を有する振動子を作製することができなかった。i線ステッパを使用することで、十分な解像度を得るとともにパターンの不連続性の問題を解決することができたと考える。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 i線ステッパで露光したIDTパターン
表1 水晶振動子(発振周波数1 GHz)の電気特性
図2 共振波形(上：アドミッタンス、下：位相)
Center 1GHz , Span 1MHz
図4 マスクレスアライナで露光したIDTパターン
パターンの連続性が損なわれている顕著な例
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
技術的ご指導を賜りました東北大学、戸津先生、森山先生、庄子研究員、菊田研究員、鶴谷研究員、松本研究員に心より感謝申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 今大健, 元野智幸, 丸山春樹, 芦沢英紀, "電子線描画装置を使用した1 GHz OPAW振動子の電極パターニング", nano tech 2025（東京）, 令和7年1月29日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件