一般社団法人日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)主催の2026年データマネジメント賞の「特別賞」を、文部科学省 マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)運営機構が受賞しました。表彰式は、2026年3月11日に「データマネジメント2026」イベント会場にて執り行われました。


【受賞理由】
タイトル:AI for Science時代を拓くマテリアルデータの資産化と全国的な産学官共用の実現マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)では、文部科学省が推進するマテリアルDXプラットフォームの一角として全国26の大学・研究機関における最先端設備の全国的な共用体制を整備し、先端設備から創出されたマテリアルデータを利活用しやすくした上で国内の学術界・産業界に共用している。材料科学分野を含む多くの研究分野では、装置ごとに異なるデータ形式や管理手法が混在し、実験データが属人化し、AIや機械学習などでの利用ができないことから、標準化・構造化が重要な課題となっていた。
ARIMは、物質・材料研究機構(NIMS)が開発したデータ構造化システム(RDE)を基盤として、様々な実験装置とNIMSデータ中核拠点(MDPF)を連結する仕組みを構築した。実験データはAI解析に即応した「AI Ready」な状態に変換・蓄積され、データ可視化にかかる時間は「1日がかり」から「数分以内」へと劇的に短縮された。機器ごとに異なるデータ形式を共通したデータ形式で構造化し、メタデータも揃えて蓄積・提供する「データアライアンス」により、機種やメーカーを問わない横断比較も実現した。2022年のRDE稼働以降、2026年1月時点で約190万ファイル、1.7万件超のデータセットが蓄積されている。
また、知的財産の保護と研究データの共用を両立させる独自の共用ルールを策定することで、機関の壁を越えたデータ流通のプラットフォームを整備した。この取り組みにより、1.7万件を超えるデータセットが産学官の枠を越えて共有・利活用できる環境が構築された。様々な機器から創出されるデータの品質の担保と、組織横断的なガバナンスの実装を高度に融合させた点は、科学技術領域におけるデータマネジメントの卓越した成功事例といえる。
研究DX推進における構造的課題を技術とガバナンスの両面から解決し、日本のマテリアル科学の国際競争力強化に直結する基盤を創出したその功績を高く評価し、特別賞を授与する。